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「首都圏は人口増加」は本当か-細部で見ると始まっている人口減少
  • 2026/05/31

「首都圏は人口増加」は本当か ― 細部で見ると始まっている人口減少

「人口が減っているのは地方だけ。首都圏はまだ人が増えている。」

そんなイメージを持っている方は少なくないでしょう。確かに、2025年国勢調査の速報値を見ると、東京都の人口は前回調査から1.4%増加しており、日本全体で人口が増加した都道府県は東京と沖縄の2つだけでした。ニュースなどでも「東京一極集中」という言葉が繰り返し取り上げられています。

しかし、今回の国勢調査を細かく見ていくと、実は首都圏でも人口減少が始まっていることが分かります。

まず、日本全体の人口は1億2304万人となり、前回調査から約310万人減少しました。減少率は2.5%で、国勢調査が始まった1920年以降で最大の人口減少です。

注目すべきは首都圏の状況です。これまで人口増加を続けてきた埼玉県と千葉県は、調査開始以来初めて人口減少に転じました。また、神奈川県も戦後初めて人口が減少しています。

つまり、「東京は増えているが、その周辺県は減り始めている」という現象が起きているのです。

さらに、市町村単位で見ると状況はより鮮明になります。全国の市町村の約9割にあたる1,558自治体で人口が減少しており、人口が1割以上減った自治体も全体の約3割に達しました。首都圏の中でも、駅周辺や都心部では人口が維持・増加している一方、郊外や山間部では人口減少と高齢化が進んでいます。

つまり、「首都圏全体が成長している」のではなく、「首都圏の中でも人口が集まる地域と減る地域への二極化」が進んでいると考える方が実態に近いでしょう。

介護業界にとっても、この変化は重要です。これまでは「地方の問題」と考えられていた人材不足や利用者構成の変化が、首都圏でも確実に進行しています。人口減少は地方だけの課題ではなく、首都圏を含めた日本全体の課題になりつつあります。

2025年国勢調査から読み取れる結論は、「首都圏は人口増加」という大きな見出しだけでは実態を捉えきれないということです。東京都への集中は続いているものの、首都圏全体で見れば既に人口減少が始まっています。これからは「首都圏だから安心」と考えるのではなく、地域ごとの人口動向を細かく見ながら将来を考えることが求められる時代になっているのではないでしょうか。

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